マウスピース矯正とは?治療法やメリット・デメリット、ワイヤー矯正との違いについて解説

歯並びや噛み合わせが悪いと矯正治療を検討する方も多いと思います。

しかし、「矯正治療は目立つから抵抗がある」と不安な方も多いのではないでしょうか。

そのような方へおすすめの治療法として、マウスピース矯正があります。

この記事では、マウスピース矯正の治療方法とメリット・デメリットについて解説します。

従来のワイヤー矯正との違いについても詳しく説明しますので、矯正治療を検討されている方はぜひご覧ください。

マウスピース矯正とは

そもそも、マウスピース矯正というのは、透明なマウスピース型の装置を使い、期間ごとに新しい装置に交換しながら、少しずつ歯を動かしていく矯正方法です。

装置は透明であるため目立ちにくく、自由に取り外せるという特徴があります。

比較的新しい治療法ですが、賛美性に優れているため、選択する人が増えているのです。

マウスピース矯正の治療方法

歯と歯槽骨の間には歯根膜というクッションの役割を果たす組織があり、歯に力が加わると圧迫された方の骨がなくなり(吸収)、反対側にできた隙間には新しく骨が作られます(再生)。

このように、吸収と再生を繰り返して歯は移動しています。

矯正で使われるマウスピースは、元の歯より少しズレがあるため、装着するとズレの向きに歯へ圧力がかかって歯が動きます

マウスピースは約1~2週間で新しいものに取り替え、少しずつ歯を動かしていきます。

マウスピース矯正の治療期間

矯正治療は、治療期間が長くなる傾向にあり、マウスピース矯正も同様です。

マウスピース矯正の治療期間は、歯並びの状態によっても変わりますが、5ヶ月〜2年程度が目安となります。

1つのマウスピースで約0.25mm~0.35mmずつ動かすので、治療完了までに期間が長くなるということを理解したうえで治療計画を立てるようにしましょう。

マウスピース矯正の治療費用

マウスピース矯正にかかる費用の目安は、約10万円〜120万円と幅広いです。

これは、部分矯正か全体矯正かによっても変わってきます。

マウスピース矯正は基本的に保険適用外の自由診療となるため、治療費が高額になるケースが多いです。

価格は歯科医院によっても異なるので、事前に総額がいくらになるのか確認しておくのがおすすめです。

ワイヤー矯正との違いは?

マウスピース矯正以外の矯正治療として、「ワイヤー矯正」があります。

透明なマウスピースを使うのに対し、ワイヤー矯正ではブラケットと呼ばれる矯正装置にワイヤーを通して歯を動かします。

マウスピース矯正と比較するためにも、ワイヤー矯正とはどのような治療法なのか詳しく説明します。

ワイヤー矯正とは

ワイヤー矯正とは、歯にブラケットという矯正装置を取り付け、そこにワイヤーを通して適切な力をかけ、少しずつ歯を動かしていく矯正方法です。

ワイヤーやブラケットは様々な種類があり、自分に合ったものを選択できます。

また、ワイヤー矯正には、

表側矯正

裏側矯正

上記2種類の方法があります。

表側矯正

表側矯正は、歯の表側に矯正装置をつけて歯並びを整える方法です。

矯正治療の中でも古くから行われてきた方法で、治療実績が豊富であるため、多くの症例に対応できます。

ですが、矯正装置が歯の表側にあるため目立ちやすく、審美性が劣ってしまいます。

裏側矯正

裏側矯正は、歯の裏側に矯正装置をつけて歯並びを整える方法で、「舌側矯正」「リンガル矯正」とも呼ばれるものです。

装置が歯の裏側にあるため目立ちにくく、表側矯正よりも審美的に優れています。

ただし、費用が高くなる傾向にあるほか、舌が矯正装置にあたりやすく、食べづらさや違和感を感じるなどのデメリットもあるのです。

ワイヤー矯正のメリット・デメリット

ワイヤー矯正のメリットとデメリットを以下にまとめました。

メリット

デメリット

・様々な症例に適応できる

・装置の自己管理が不要

・効率的に歯を動かせる

・種類が豊富で目立ちにくい装置を選べる

・装置が目立つ

・装置の取り外しができない

・歯磨きがしづらい

・食べ物が装置に挟まる

・痛みや違和感が出やすい

・装置が口腔内を傷つける恐れがある

長い歴史があるワイヤー矯正は多くの歯科医院で多数の実績があります。

ですが、矯正装置が目立ったり、違和感を感じたりするなどの不満を持たれる方が多いのも事実です。

 

ワイヤー矯正のデメリットが気になるという場合は、マウスピース矯正についても理解し、検討してみましょう。

マウスピース矯正のメリット

歯並びや噛み合わせを改善したい人でワイヤー矯正とマウスピース矯正とで迷われる方も多いでしょう。

マウスピース矯正には多くのメリットがあります。

詳しく説明しますので、ワイヤー矯正と比較してみましょう。

装置が目立たない

従来のワイヤー矯正では、金属部分が目立つため、口を大きく開けたり笑ったりするのを躊躇ってしまう方も多くいます。

ですが、マウスピース矯正で使う装置は薄く透明であるため、目立ちません。

周囲に矯正治療を行っていることを気づかれたくない方にもおすすめの治療法です。

取り外しができる

マウスピース矯正はワイヤー矯正と違って装置の取り外しが可能です。

そのため、装置が見られたくない場合や食事の際は、マウスピースを外して普段通りの生活ができます。

歯磨きもしやすくなるので、口腔内が清潔に保たれ、矯正期間中の虫歯や歯周病のリスクも軽減されるでしょう。

痛みや違和感が少ない

マウスピース矯正は、ワイヤー矯正と比べて痛みや違和感が少ないというのがメリットの一つです。

少しずつ時間をかけて歯を移動していくため、痛みが軽減されます。

ただし、全く痛みがないわけではなく、以下のケースで痛みや違和感を感じる場合があります。

初めて装着したとき

歯が動くとき

硬いものを食べるとき

マウスピースを脱着するとき

装置が当たるとき

痛みが強く出る場合は、歯科医院での処置が必要になる場合もありますが、基本的には耐えられないほどの痛みが生じることはないでしょう。

金属アレルギーの人でも利用できる

ワイヤー矯正は、ブラケットやワイヤーに金属が用いられる場合が多く、金属アレルギーをお持ちの方は注意しなければなりません。

一方、マウスピース矯正に使われる装置は、プラスチックの素材でできています。

金属を全く使わないため、金属アレルギーの方でも安心して使用できるのです。

マウスピース矯正のデメリット

様々なメリットがあるマウスピース矯正ですが、デメリットもあります。

場合によっては向いていない方もおり、ワイヤー矯正をおすすめする場合もあるでしょう。

マウスピース矯正のデメリットについて詳しく説明していきます。

長時間装着し続けなければならない

装置の取り外しができるのが利点のマウスピース矯正ですが、基本的に食事や歯磨きのとき以外は装着し続けなければなりません。

外したまま装着するのを忘れていると、計画通りに歯が動かず、治療期間が長くなったり、マウスピースが合わなくなったりしてしまいます。

マウスピース矯正の装置の装着時間は、一般的に1日20時間以上です。

もし長時間装着するのが守れないという場合は、治療に向いていないのかもしれません。

つけたまま飲食できない

マウスピース矯正治療中の食事の際はマウスピースを外す必要があります。

装着したまま飲食をすると、以下のリスクがあります。

マウスピースが破損するリスク

マウスピースが着色するリスク

虫歯や歯周病になるリスク

万が一、これらの症状を引き起こした場合、治療計画通りに進まないだけでなく、中断しなくてはならないケースも出てくるのです。

食べ物だけでなく飲み物を口に含む際にも外さなければならないため、煩わしく感じることもあるでしょう。

適用できない症例がある

患者さんにとってメリットの多いマウスピース矯正ですが、難しい症例では適応できない場合があります。

歯根の移動が大きいケース

重度の叢生(デコボコの歯並び)

顎変形症

上記のように、外科手術が必要な難強い症例の場合は、治療できない可能性が高いです。

ワイヤー矯正の方が適応症例が多いため、そちらを勧められる場合があります。

紛失のリスクがある

ワイヤー矯正の場合、矯正装置を常につけているため紛失のリスクはありません。

一方、マウスピース矯正は食事のときなど外すタイミングがあるため紛失してしまう恐れがあります。

もし見つからなかった場合は、新しく作り直さなければならないため、時間や費用が余計にかかってしまうのです。

マウスピース矯正がおすすめの人

メリットやデメリットを踏まえたうえで、マウスピース矯正が向いている人は以下の通りです。

周りに気づかれないように矯正したい人

歯の移動距離が少ない人

歯磨きや食事を普段通りにしたい人

マウスピースの装着時間を管理できる人

金属アレルギーの人

ワイヤー矯正とマウスピース矯正それぞれに良さがあるため、どの治療法が向いているかよく確認する必要があります。

そのうえで、歯科医師に相談して自分に合った歯列矯正を選択するのがおすすめです。

マウスピース矯正をする際に注意すること

治療効果を高めるためには、様々な点に注意しなければなりません。

マウスピース矯正をする際に気をつけなければならないことを説明します。

1日20時間以上装着する

マウスピースの取り外しができるため、衛生面ではメリットがあります。

ですが、効果を得るためには1日20時間以上装着しなければなりません。

食事の際に取り外して、うっかりつけるのを忘れてしまうような日が多くなれば、思うような成果が得られない場合があるのです

そうすると、最終的に治療の失敗となるため、装着する時間は必ず守りましょう。

飲食時は必ずマウスピースを外す

マウスピースをつけたまま飲食をすると、破損の原因になったり、歯との隙間に食べ物が入り込んで虫歯や歯周病の原因になったりしてしまいます。

さらに、食べ物や飲み物によってはマウスピースが着色して見た目が悪くなってしまう場合もあるのです。

食事の度にマウスピースを外すのは手間がかかりますが、治療を成功させるためにも必要になります。

飲食後は歯磨きをする

飲食後に歯磨きをしないままマウスピースを装着すると、虫歯や歯周病のリスクが上がります。

そのため、必ず飲食後に歯磨きをする習慣をつけるようにしてください。

外出時用に携帯歯ブラシやうがい薬などを用意しておくのがおすすめです。

食後に歯磨きができない場合の対処法

出先でどうしても歯磨きができないというケースもあるかと思います。

その場合、以下の方法で応急処置をしましょう。

マウスウォッシュで口の中の汚れを落とす

水で口の中をゆすぐ

ただし、食後に残る歯垢は水では簡単に落ちません。

 

歯磨きができる状況になったらしっかりとブラッシングをして汚れを落としてください。

マウスピースを清潔に保つ

口腔内だけでなく、マウスピースの洗浄も欠かせません。

マウスピースのお手入れを怠ると、細菌が繁殖し、虫歯や歯周病の原因になります。

それだけではなく、口臭の悪化やマウスピースの変色になる恐れもあるのです。

マウスピースを外すタイミングで丁寧に洗浄し、使わない時は専用のケースで保管しましょう。

マウスピースの洗浄方法

治療効果を高めるためにもマウスピースを綺麗に保つ必要がありますが、洗浄方法としては以下の通り。

1.水道水で優しく洗う

2.マウスピース用洗剤を使用して洗う

3.歯科医院で洗浄してもらう

研磨剤入りの歯磨き粉や、硬い歯ブラシなどで洗うとマウスピースを傷つける恐れがあるので使わないようにしましょう。

 

歯科医院では、超音波洗浄機を使って細かな汚れを落としてくれます。

メリット・デメリットを理解しよう

マウスピース矯正の治療方法とメリット・デメリットについて解説しました。

歯列矯正というと、矯正器具が目立つ、歯磨きがしづらいなどのマイナスなイメージを持たれる方が多いと思いますが、マウスピース矯正ならば、そのような不満を解消しつつ、歯並びや噛み合わせが改善されます。

特徴やメリット・デメリットを確かめたうえで、ワイヤー矯正と比較してご検討ください。

 

マウスピース矯正を成功させるためには守るべき注意事項もあるため、併せてご確認いただけたらと思います。

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